プレキャスト化

工場や現場付近の製作ヤードなど、架橋地点と異なる場所で製作することをプレキャストといいます。

• プレキャストセグメント工法・・あらかじめ工場や現場ヤードで分割して製作したプレキャスト部材(セグメント)を架橋地点で接合し、プレストレスを与えて一体化する工法
• U型コンポ橋・・主桁断面形状をU形とした工場製作によるプレキャストセグメント桁と床版部にプレキャストPC板を採用した合成床版構造の橋梁
• プレテンションプレキャストウェブ橋・・橋の断面が箱の形をした橋梁で、箱の上面を支える柱の部分（ウェブ）がプレキャスト化された（プレテンションウェブ）橋梁
• スプライス橋・・桁端部および中間支点部付近を場所打ち桁構造とし、径間部をプレキャスト桁構造（一般にプレテンション合成桁またはスラブ桁）とした複合構造橋

外ケーブル構造

外ケーブル工法とは、PC鋼材をコンクリート部材の外部に設置するプレストレッシング方式であり、PC鋼材をコンクリート部材の内部に配置する従来の内ケーブル工法と区別されます。 　外ケーブル構造は、ウェブ内に配置されたPC鋼材を外に出すことで部材厚を減少でき、ウェブ重量を低減することで、主桁の自重の軽量化が可能です。

複合橋・混合桁橋

• 波形鋼板ウェブPC橋・・従来のＰＣ橋の30％を占めるウェブを軽量な波形鋼板にすることにより、自重の軽減が図れ、スパンの長大化と施工の省力化が可能
• 複合トラス橋・・コンクリートウェブを鋼トラスで置き換えた構造
• 混合桁橋・・鋼桁部とコンクリート桁を部材軸方向に直接結合した構造

箱桁合理化床板構造

従来のPC箱桁橋は、有効幅員で13m程度までは一室箱桁断面で、それを超える広幅員の計画に対しては多室または多主箱桁断面が採用されてきました。しかし、　近年の解析技術の向上によりFEM解析などの構造解析によって比較的容易に道示に示される要求事項を満足する床版の設計が可能となりました。

• 広幅員一室箱桁橋・・多室または多主桁に対して、床版支間を広く設定した一室箱桁断面とすることにより、主桁重量の軽減が可能
• リブ付き床版箱桁橋・・床版を補強する橋軸直角方向のリブを橋軸方向に等間隔で配置することにより、荷重による床版応力を橋軸方向と橋軸直角方向の２方向で分担する構造で、床版支間を広く、また床版厚を薄く設定できる
• ストラット付き床版箱桁橋・・片持床版の先端付近をストラットで支持することにより、片持床版長を広く設定した一室箱桁断面形状を有するPC箱桁橋

偏心ケーブル構造

偏心ケーブル構造とは、部材高さの範囲を超えてケーブルを配置した構造です。ケーブルの偏心量を大きく取ることによって部材断面やPC鋼材量が減少し、長支間化や軽量化に対応できます。

• エクストラドーズド橋・・斜張橋と桁橋の間を補う新しい構造形式
• フィンバック橋・・箱桁上に設けた翼壁にPC鋼材を配置した構造

PRC構造

PRC構造は、所要のひび割れ条件を満足するようにPC鋼材と異形鉄筋で補強された構造で、PC構造とRC構造の両者の特徴を兼ね備えたものです。

• 押出し架設PRC箱桁橋・・桁下空間の使用が不可能な橋梁に適しています。主桁のPRC化によるPC鋼材量の削減が可能となり、また外ケーブルの採用によりプレストレスを合理的に導入できる
• 張出し架設PRC2主桁橋・・自重の軽減による下部工への負担が軽減され、上下部工費の縮減が可能となり施工の合理化が可能

吊り床版橋

吊り床版橋は橋台間に緊張材（ケーブル）を並列配置し、これらをコンクリート床版で包み込んで床構造を形成した橋です。国内における実績の多くは歩道橋です。 吊構造であるため、座屈の問題がなく、材料の特性を生かした軽くて薄い構造が可能となります。また、大きな水平力に抵抗するため、堅固なアンカー基礎が必要となるなど、他形式の橋りょうに比べ適用条件に制限があるものの、安価に長支間の橋りょうを架設することができます。

床版

PC床版は、架設された主桁（鋼、PCを問わない）上に従来のRC床版の代わりにプレストレストコンクリート構造の床版を用いたものであり、耐荷性、耐久性に優れたものです。

• 場所打ちPC床版・・鋼鈑桁橋や鋼多主箱桁橋において用いられ、橋軸直角方向にポストテンション方式によりプレストレスを導入したPC床版
• PC合成床版（合成床版用プレキャスト板・・場所打ちコンクリートと一体化して合成床版の一部
• プレキャストPC床版・・橋軸方向に分割したプレキャスト部材を接合させて一体化したＰＣ床版
• RC床版連結方式連続桁橋（リンクスラブ）・・プレキャスト単純桁を中間支点部の床版だけで連結する連続構造

その他

高性能コンクリート

施工性や耐久性向上の観点から種々のコンクリート混和材料が開発されています。これらを用いることで適切な施工品質を確保し、さらには耐久性の向上が望めます。

新しいPC鋼材

• 樹脂塗装PC鋼材・・樹脂でコーティングすることにより防食性能を付与したPC鋼材
• プレグラウトPC鋼材・・ポリエチレン管で被覆されたPC鋼材に、遅延硬化型のエポキシ樹脂をあらかじめ充填してグラウト材としたPC鋼材
• 非鉄シース・・非鉄シースは、それ自体が腐食せずまた遮水性に優れています

機能分離支承

機能分離支承は、支承部として必要となる機能ごとに独立した構造体を設け、これらの集合が支承部としての役割を担うように構造を構成したものです。支承部の機能ごとに構造体を設けるため構造は煩雑となりますが、それぞれの構造体は比較的単純で小型となり、配置の自由度もあることから合理的に支承部を構築することができます。

補修・メンテナンス

橋梁の補修・メンテナンスは弊社にお任せください。様々な工法で作業を行うため一度お問い合わせの上ご確認ください。